三相短絡接地器具をDS1次に取り付けた状態でPASを投入。
その場合、どのような事故が起こり、その後、どのような改修工事が必要になるか。
【予想】
これは、実際に事故例が紹介されていた。
その受電設備は、波及事故につながったようだ。
なぜ波及事故になってしまったのか?
波及事故になったということは、1分後の再閉路が不成功であったということ。
であれば、PASは開放されず、1分後の最閉路で地絡 or 短絡になった可能性がある。
考えられる理由としては、短絡接地器具により、
PASのSOG制御電源が無効化されていた可能性が高い。
仮に、SOG制御電源が電灯変圧器からだった場合、無効化されていた可能性が高い。
(でも、VT内蔵タイプのPASだった場合、制御電源はどうなるんだろう?)
【事故時の状況】
三相短絡接地器具によりSOGの制御電源が無効化された状態でPASが投入されると、
一瞬にして地絡 or 短絡になり、電力側の保護継電器が動作し、送電が停止する。
なので、受電設備側の高圧用電圧計はゼロ、検電器も反応しないはずである。
【事故後の対処】
PASを入れたにも関わらず、電圧計も検電器も無反応であった場合、
電力側の保護継電器が働いた可能性を疑い、早急にPASを開放させ、波及事故を防ぐ。
PASを開放した後、DS1次側の無電圧を確認し、短絡接地器具を取り外す。
そして、PAS2次~DS1次の高圧絶縁抵抗測定を行い、損傷を調べる。
もし絶縁抵抗に問題がなかった場合、少し様子を見て、PAS投入でいいのだろうか?
【事故の予防法】
1.復電する前に、一括での高圧絶縁抵抗測定を必ず行う。
2.PAS投入作業者は、持ち場に向かう前に、短絡接地器具が取り外されているか確認する。
3.PAS投入をする前に、電話にて「短絡接地器具は取り外されてますか?」と確認する。
キュービクル側を担当している人間の注意はもちろんなのだが、それ以外の持ち場の作業者が、どれだけ他に注意を払えるかも重要である。人間のやることなので、シングルチェックは必ずどこかで漏れが出る。なので、ダブル、トリプルをどれだけ重ねられるかで事故率が大幅に下ると思う。
短絡接地つけたまま投入、SO動作でPAS開放、PAS再投入で波及事故
短絡接地を取り付けた状態でPASを投入してしまった
↓
SOGがSO動作
↓
配変フィーダがトリップで停電
↓
PASが開放される
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操作者が慌てて何度かPASの投入⇔開放動作を繰り返した
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配変からの再送電
↓
そのタイミングで操作者がPAS投入したため再びSO動作
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波及事故
SOG制御電源がトランス2次側からでDSに短絡接地つけたまま投入
短絡接地を取り付けた状態でPASを投入してしまった
↓
SOG制御電源がトランス2次側からであった
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SOGの制御電源は無電圧状態を維持
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配変フィーダがトリップで停電
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SOGは動作せず、PASは開放されず、投入状態のまま
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操作者は投入したにも関わらずSOG制御電源がつかないので、疑問に思いテスターでSOG制御装置のP1P2の電圧をテスターで測っていた。
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1分後、配変からの再送電
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PASが投入状態であったため、再びDSについた短絡接地が原因でフィーダー配変フィーダがトリップで停電
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波及事故
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