OVGRの使用目的
- 高圧連系している太陽光発電の系統地絡保護として使用する。高圧系統側の地絡を感知してパワーコンディショナの発電を停止させる。
- 系統側で地絡故障(アースへのショート)が発生した場合、故障した場所の探査や故障の除去作業にあたる作業員の感電を防止するため、PCSを停止させる。
- 工場やプラントなど、系統連系された自家発電機を有している建物の系統地絡保護として使用し、
高圧系統側の地絡が発生したら、系統を解列する。 - 高圧一括受電マンションで、かつ太陽光発電をしている集合住宅など。
OVGRが省略可能な条件
・PCSの出力容量が契約電力の5%以下
・PCSの出力容量が10kW以下
なぜ系統側の地絡を電流ではなく電圧で見るのか?
- 系統事故時、発電設備設置者側から流出する地絡電流(充電電流Ic)は小さい。
- OCGR(Io)では、不動作となる場合がある。
- OVGR(Vo)により、地絡電圧を検出して遮断する。
OVGRの省略可能範囲
- PCSの出力容量が契約電力の5%以下の場合
- PCSの出力容量が10kW以下の場合
OVGR 配線例
制御電源、S1、S2に注意。継電器の定格制御電源がDC24Vとなっている。
OVGRの試験をする際、配線は電源側から低圧MCCB⇒S8TS⇒OVGRとなっていたら、MCCBをOFFにした状態で、MCCB2次側にAC110V印加させる。
OVGRのバックアップ電源(上図※1)
OVGRを太陽光発電用の地絡保護として使用する場合、OVGRの制御電源は、バックアップ電源またはUPSまたはバッテリーを使用することが義務付けられている(系統連系規定)
低圧OVGR
低圧のOVGRというのも存在する。
変圧器の二次側が非接地だった場合、低圧回路の地絡を低圧OVGRで保護する。
試験方法は以下の通り。
低圧OVGRと試験端子台の配置例
試験端子、U、V、Wの上流MCCBを開放させておく。
試験端子、U、V、Wを短絡させ、どれか1つに試験機側の零相電圧配線を接続。
試験端子、Eに、試験機側の零相電圧配線(E)を接続。
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