低圧進相コンデンサ

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低圧進相コンデンサ 外観

低圧進相コンデンサの設置場所

低圧コンデンサの場合、③④のように、変圧器2次側、モーター誘導電動機に対して並列に繋ぐ。

低圧コンデンサの取付け位置

モーター負荷を電源から切り放したとき、コンデンサも同時に切り放せるように接続する。
コンデンサだけが接続されたままだと、力率の進み過ぎによる過電圧・高調波などが発生する。
その結果、コンデンサが損傷したり、使用機器に悪影響を及ぼす。

低圧進相コンデンサのメリット

取付部が低圧負荷と並列であれば、もしコンデンサ内部の絶縁破壊による事故が起こった場合、その被害範囲を最小限に食い止められる。

もし仮に高圧部でコンデンサ爆発などが起こった場合、被害範囲は高圧充電部全体に波及する恐れがある。

また、コンデンサによる力率改善効果は、進相コンデンサの設置位置よりも上位の部分に効果を与える。なので、負荷により近い位置に設置することで、遅れ無効電力を打ち消し、力率(=有効電力/皮相電力)を改善する。

過電圧・高調波によるトラブル

  • 進み力率などによる過電圧
  • サイリスタ負荷などによる高調波

コンデンサが過熱して故障することがある。

スターデルタ始動誘導電動機への接続

スターデルタ始動誘導電動機の力率改善に使用する低圧進相コンデンサの結線を間違うと、回路に異常電圧が発生しコンデンサが損傷することがある。

再投入と残留電圧

コンデンサは、電源から開放後3分間以内に残留電圧が75 V以下となる放電抵抗器を内蔵している。残留電圧が充分放電しない時点で再投入すると、大きな過電流が流れてコンデンサを損傷させる原因になる。

短時間に開閉される場合は放電コイル(放電時間5秒以内)を使用する。

コンデンサの経年劣化による火災の原因

コンデンサの経年劣化により、コンデンサ内部で絶縁破壊が発生し、金属容器または樹脂容器が熱により膨張し破裂し、火災に至る危険性がある。

コンデンサの内部では、フィルム(紙)やアルミ箔の間を絶縁油(誘導体)で満たしているが経年劣化により、誘導体(絶縁体)に電気的あるいは熱的ストレスが加わり、電気絶縁性を失い、絶縁破壊に至る。

すると、コンデンサ素子は短絡状態となり、これに接続された素子も短絡状態となり、回路に流れる電気は増加し、最後は完全短絡となって、非常に大きな電流が流れ、この時のエネルギーで誘導体(絶縁体)を炭化させる。
また絶縁油などが分解ガス化し、コンデンサの内圧が上昇し、コンデンサケースが破裂することで空気に触れて、燃え上がる。

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