直流電源装置のシステム構成
蓄電池の種類
鉛蓄電池
- 鉛(Pb)二酸化鉛(PbO2)希硫酸(H2SO4)
- 一般的に広く使われている。
- アルカリ蓄電池に比べ、安い。
アルカリ蓄電池
- オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)カドミウム(Cd)苛性カリ溶液(KOH)
- 機械的強度が高く、過放電にも耐え、放電特性も良く、長寿命だが、コストが高い。
直流電源喪失した場合
- 制御電源喪失による、継電器や遮断機の不動作。
- それに伴う波及事故、停電後の復電操作不能、など。
点検方法
- 浮動充電ランプの点灯確認
- メーター類の指示値記録
- 目視による外観点検
- バッテリー水の補充、定期交換
浮動充電とは?
- 蓄電池の充電方法のひとつ。
- フロート充電、フローティングチャージ、とも呼ばれる。
- 整流器に対して負荷と蓄電池を並列に接続する。
- 一定電圧を連続的に印加して、負荷を運転しつつ、蓄電池を充電する。
- 蓄電池は常に充電と放電が継続した状態となり、かつ満充電が維持される。
- 電池の自己放電には充電装置から充電を行い、自己放電よりも負荷電流が大きくなった場合には電池から放電をして負荷に対応する。
回復充電とは?
- 鉛蓄電池は24時間、アルカリ蓄電池は8時間の回復充電時間が必要。
- 回復充電中に異音や異常発熱をきたし、回復充電が停止するなど安全装置がついている場合がある。
制御電源に絡んでいるところ
- DGRなどの継電器制御用電源
- VCB内部のトリップコイル印加用電源
- VCBの蓄勢用電源(ハンドル操作で蓄勢できないVCBもある)
負荷電圧補償装置とは?
蓄電池から供給される負荷には、停電時には蓄電池が放電して電圧が低下して、回復充電の時には電圧が上昇する。このような電圧変動を負荷の許容範囲内に保ち、機器の故障を防止するため使用する。
- シリコンドロッパー(SID)方式。
- これが負荷補償装置として最も一般的な方法。
- シリコンダイオードの順方向電圧降下を利用したもの。
- 1個当たり約0.6Vの電圧降下があるので必要電圧分を直列に接続する。
- 抵抗と違い電流の変化にかかわらず電圧降下がほぼ一定なのが特徴。
蓋の構造による違い ベント形(開放タイプ)
- 水の電気分解や自然蒸発によって電解液中の水分が失われる。
- 電解液比重を測定して、補水を行う必要がある。
- 通常、蓄電池の液口栓に触媒栓を取り付け、補水間隔を延ばす。
- 触媒栓とは、蓄電池化から発生する酸素ガスと水素ガスを再結合させて水に戻す装置。
蓋の構造による違い シール形(密閉タイプ)
- 発生した酸素ガスを、陰極の鉛と反応させ、PbSO4とH2Oを生成させる。
- このため、補水が必要になる。
蓄電池の寿命
- 蓄電池は温度環境に大きく影響を受ける。
- 25℃を基準として、10℃温度が上昇すると、期待寿命が半減する。
- 設置場所の換気、温度調整が重要。
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