OCR 51 交流過電流継電器

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OCR 51 交流過電流継電器

超反限時 EI
電流の2乗に反比例した時限特性であるため、発熱(ジュール熱)特性にあっており、電気機器の過負荷保護に適している。
また、MCCBやヒューズなどの保護機器の特性とも合っているので、保護協調がとりやすい。

強反限時 VI
電気機器の過負荷特性に合っており、配電線の保護や変圧器の保護に適している。

反限時 NI
送電線の短絡保護に適している。

限時要素

限時要素は、通常の負荷変動で動作しないよう、契約電力の負荷電流に対して120〜150%で整定する必要がある。

■計算例
契約電力:200kW
受電CT比:30/5A
負荷力率:90%
整定計算値 = {200kW ÷ (√3 × 6.6kV × 0.9)} × (5/30) × 1.5 = 4.9[A]
なので、整定値は4.9Aよりも大きい値の中で最小の、5Aとなる。

瞬時要素

番号:50
記号:I>>>

瞬時要素の整定は、受電時定格電流の10倍とされている「変圧器突入電流」による誤動作がないように整定をする。
瞬時要素の設定は、短絡電流では動作し、変圧器の励磁突入電流では動作しないように設定する必要がある。
また、需要家のOCRは、電力会社の限時・瞬時よりも早く動作しなければならない。
もし保護協調を間違えた状態で事故が発生すると、電力会社配電線の停電につながり、波及事故になり、損害賠償問題にまで発展する可能性がある。

■瞬時要素の計算例
契約電力:200kW
受電CT比:30A/5A
負荷力率:90%
瞬時要素の整定倍率:契約電力の1,000%(10倍)
整定計算値 = {200kW ÷ (√3 × 6.6kV × 0.9)} × (5/30) × 10 = 32.4[A]
目安は1000%~1500%なので、瞬時要素のタップ値は、40A(6.6kVで240A)とする。

瞬時要素の継電器試験
整定値の200%の電流を入力印加時、0.05s以下であれば問題ない。
仮にOCRの瞬時整定値が30Aであった場合、一旦10Aまで下げて、試験機から20A(200%)を印加整定して試験を行っても良い。
現用の30Aの200%=60Aの場合、発電機にも試験機にも無理が生じて危険である。
試験を行った後は、値の戻し忘れに注意する。

電流引き外しと電圧引き外しの端子の違い

誘導型、電流引き外しの試験方法

三菱の誘導型OCRについて

■型番による違い
どうやら型番に「I」がついているものが「瞬時要素あり」のようだ。
また、「T」がついていれば電流引き外し、無ければ電圧引き外しのようだ。

■型番による適用箇所の違い

高圧受電点
・MOC-2I-R
・MOC-2TI-R

分岐フィーダ
・MOC-2-R
・MOC-2T-R

※瞬時要素がある方を受電点に、ない方を分岐フィーダに使用するということ。

■誘導型OCRの限時動作時間はグラフから読み取る

■誘導型OCRの回路構造

■誘導型OCRの外部接続図

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